またね
来世の星は僕のものだ
初夏
あれは嘘だったのか
気づく時にはいつも遅い
寝惚けた眼を擦っても何も変わらない
嘘ばかりの現実だけが本物
目の前は真っ黒に染まり
目の下は真っ赤に腫れた
春の思い出
あの夏、赤の夏
踏切の鳴
蝉の鳴
車輪の鳴
空の鳴
風の鳴
月夜の鳴
煩わしい夏は過去になって残る
冷たくても暑苦しい
暗くても眩しい
まるで太陽のような
そんな華やかなものじゃないけど
あれは3年前の8月
君と空き缶と煙草と
眺める瀬戸内海に吐露を流す
呆れるくらい湿った夜
蛍に似つかない羽虫は暗闇に埋もれる
未来に行き着かない話は無駄ばかり
「まだそんなことどうでもいいから」
いつかは見なければ怖くない
夜の森は見えないから怖い
朝になれば君とは他人
あの日のこともあの夜のことも
君じゃない誰かとの記憶
意味の無い何かとの約束
そんな暑苦しい夏
時は哭いた
星は人を照らす。人は未来を紡ぐ。
流れ星を追い掛ける
箒星を探す
彗星が飛ぶ
夜は明るくて綺麗だ
青に染まった海
過去に埋まった声
午前3時9分
宇宙は不安定で歪で
切なくて寂しい
地球は暗く濁った
騒々しく鬱陶しい
それでも
星空は明るく輝き
華麗な空を創る
見えないものは見えなくていい
知らないことは知らなくていい
人の心は不安定で歪で
1人は切なくて悲しい
抱える闇は暗く濁り
世間の喧騒は耐えない
それでも
人の夢は明るく輝き
華麗な未来を彩る
見えない未来は信じればいい
知りえない展望は叶ったっていい
夢を語り合った
この歪な場所で
2人笑いあって
午前4時24分
太陽より明るい星を見つけた
朝より眩しい夜を見上げた
サキ
私が私でいられるまで
ずっと
記憶の混濁
明日の天気が分からない
昨日の夕飯も思い出せない
今日の運勢は多分悪い
自販機のレバーを下げる音
弾く硬貨の音
水溜まりに映る空は白濁した
知らない空気
知らない星空
ここは私の居場所じゃない
私はいつからここにいて
いつまでここにいる
あれ
お前は誰だ
私は、私
私は、私?
私は…
私は、誰?
常套句は虚しくも正しく
背徳した意思は強く
そのままでいて
泣き喚く
見上げた空は
モノクロに輝いていた
想い出は時を紡ぎ,空の彼方へ
それは2人だけの喧騒
火薬の匂い漂う終末旅行
焃く燃える世界に抗って
切なく,冷たい空気が包み込む
傳える想い
届ける願い
「「また、来世で」」
光(きぼう)は消え
星空の下に未来は残らなかった
静かな夜が始まり
それは永遠に続く
大地を照らす太陽は
もう姿を消した
未来に託して
ここは川沿いの小さな小屋
自然に還った土を踏みしめる
「すぐ逢いに行くよ」
愁い
泣かないで欲しいけど
無理に笑わなくていいよ
無責任な綴
価値は無為に欠ける
夕陽が南に仰ぐ
晴天時雨
正される道を歩く