サキ
私が私でいられるまで
ずっと
記憶の混濁
明日の天気が分からない
昨日の夕飯も思い出せない
今日の運勢は多分悪い
自販機のレバーを下げる音
弾く硬貨の音
水溜まりに映る空は白濁した
知らない空気
知らない星空
ここは私の居場所じゃない
私はいつからここにいて
いつまでここにいる
あれ
お前は誰だ
私は、私
私は、私?
私は…
私は、誰?
常套句は虚しくも正しく
背徳した意思は強く
そのままでいて
泣き喚く
見上げた空は
モノクロに輝いていた